小児科
発熱・咳・鼻水・喉の痛み・腹痛・嘔吐・便秘・湿疹・けいれんなど、子どもによく現れる全般症状について診療・治療を行なっております。必要に応じて採血、レントゲン検査をおこないます。
当院では、以下の病気についても診療を行なっておりますので、何かおかしいと感じる症状が出たり、心配なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
皮膚の病気
小児内科
小児かぜ
かぜの90%以上はウイルスによるものです。子どもは生後4〜5ヶ月くらいは母親から受け継いだ免疫があるため、風邪にかかることはありませんが、入園して子供の生活範囲が広がるとウイルスに接触する機会が増えて、風邪を引くことが多くなります。
風邪をひくたびに心配になる気持ちはわかりますが、風邪をひくことで少しずつ免疫を鍛えていくものであって、強くて丈夫な身体になるには必要なプロセスでもあります。
症状
風邪の原因となるウイルスは200種類以上ありますので症状には多少違いがありますが、一般的な症状としてはいくつかあげられます。
① 水っぽいサラサラの鼻水が出た後、発熱
② 徐々に咳が出てきて、熱は2〜3日で下がる
③ さらに2〜3日経つと鼻水も水っぽい状態に戻り、1週間ほどで治る
このほかにも、鼻水や咳ではなくて下痢や嘔吐を伴う「ウイルス性胃腸炎」もあります。
治療
病院で処方される抗生物質は、細菌に対しては効果がありますが、ウイルスを退治することはできません。
風邪に対する薬は鼻水を抑える・咳を止めるなど、出ている症状を和らげるために使うものと考えるべきでしょう。
ただし、発熱によって熱性けいれんに繋がったり、中耳炎・肺炎などの合併症を引き起こすと治療が長引いてしまいますので、症状を注意深く観察して、適宜医療機関の受診をお勧めいたします。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することによる急性の呼吸器感染症で、毎年冬季に流行します。風邪よりも症状が強く、咳やくしゃみによる飛沫によって感染します。新型コロナウイルスが流行した時期にはマスクをする習慣ができていたため、感染者が激減していましたが、近年また流行が目立つようになってきました。
マスクでの予防が効果的であるのと、予防接種を打つことで発症率や重症科を抑えることができるとされています。
当院でも予防接種を承っております。
治療
タミフル、イナビル、リレンザ、ゾフルーザなどの治療薬があります。
発症から48時間以内に服薬することで、発症期間を1〜2日短縮し、ウイルスの排出量を減らすことができます。
出席停止期間
発症した後 5 日を経過し、かつ、解熱した後 2 日(幼児にあっては 3 日)を経過するまで
溶連菌感染症
A郡溶血性レンサ球菌という細菌の感染によって起こります。はじめに発熱と全身倦怠感・咽頭痛が起こり、吐き気を伴う場合も多いです。いちご舌や扁桃腺の腫大・軟口蓋の点状の出血、体を中心に痒みを伴ったびまん性の赤い発疹を認めます。
感染に伴う症状だけでなく、糸球体腎炎やリウマチ熱などを合併する場合がありますので、きちんと治療する必要があります。
治療
ペニシリン系抗菌薬(10日間)やセフェム系抗菌薬(5日間)の投与を行います。
出席停止期間
抗生剤治療開始後24時間を経て、全身状態が良ければ登園・登校できます。
RSウイルス感染症
RSウイルスは生後6ヶ月〜2歳くらいまでの乳幼児に感染し、咳嗽・喘鳴・呼吸困難を引き起こします。
治療
RSウイルスに効く薬はなく、かかった場合は出ている症状を抑える対症療法が主体となります。
感染リスクが高い早産児や未熟児、先天性心疾患のある子に対しては、シナジスの予防投与が行われます。
手足口病
いくつかのウイルスによって起こる病気です。夏に感染することが多く、口の中や手足に水疱性の発疹ができ、発熱する場合もあります。ほとんどの場合症状は軽く済みますが、重い症状がある場合には合併症を起こす危険性があります。
治療
ほとんどは対症療法によって数日で回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の合併症を起こすことがあります。症状が少し重たいと感じたらすぐに受診してください。
症状が改善しても1ヶ月程度は便の中にウイルスが排泄されますので、おむつを片付けた後は必ず手洗いをしましょう。
風疹
三日ばしかとも呼ばれるウイルス感染症で、鼻水や唾液に含まれる風疹ウイルスとの接触や、くしゃみによる飛沫で感染します。症状は、発熱・耳の後ろのリンパンの腫れ、発疹です。発疹では軽い痒みを伴う紅斑が現れますが、麻疹(はしか)ちとがって融合せず、その後の色素沈着も起こしません。妊婦が感染すると先天性風疹症候群となり、胎児に先天性の異常が出やすくなるので注意が必要です。
治療
出ている症状を抑える対症療法が中心です。
出席停止期間
発疹が消失するまで
麻疹(はしか)
麻疹ウイルスの感染によって起こります。かぜのような症状が出てから一旦解熱し、口の中に白い斑点(コプリック斑)が出てから再び高熱がでます。全身に赤く小さな斑状の発疹が出て、回復してくると色素沈着として跡が残ります。感染力が非常に強く、空気感染を起こすので注意が必要です。合併症はほとんどが中耳炎で、まれに肺炎や脳炎を起こす場合があります。
治療
出ている症状を抑える対症療法が中心です。
出席停止期間
解熱後3日間
水痘(水ぼうそう)
ヘルペスウイルスの仲間である水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染することで起こります。発熱や倦怠感があり、発疹は小さな丘疹→水疱→カサブタと変化していきます。症状の出始めはとびひと紛らわしいことがあります。頭皮を含めた全身どこにでも現れ、痒みを伴います。
空気感染を起こすので、非常に感染力が強いです。
治った後もウイルスが体内に残り、長い期間を経てから帯状疱疹として発症するケースも多いです。
治療
抗ウイルス薬を投与しますが、塗り薬や症状を抑えるための内服薬と併用します。
出席停止期間
すべての発疹がかさぶたになるまで
伝染性紅斑(リンゴ病)
両頬がリンゴのように赤くなるためリンゴ病と呼ばれています。両頬が赤くなる前にかぜのような症状が出て、レース用の紅斑が四肢や体幹に出る場合があります。
妊婦が感染した際には流産の可能性があり注意が必要です。
治療
特に治療する必要はなく、様子を見ながら自然に引くのを待ちます。
出席停止期間
両頬が赤くなった時にはすでに他人にうつすことがないので、出席停止の必要はありません。
とびひ
溶連菌やブドウ球菌などの細菌による皮膚の感染症です。虫刺されやかぶれた部分を掻きむしることで発症し、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから”とびひ”と呼ばれます。
とびひには2種類ありますが、ほとんどが水疱性膿痂疹という水膨れとただれがメインのタイプです。
治療
基本塗り薬で治療しますが、ひどい場合は内服薬を併用する場合があります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能の低下、元々のアレルギー体質のある子に慢性的に繰り返し起きる湿疹です。
乳幼児では皮膚の最も外側にある角質が薄いため、皮膚のバリア機能が未熟ですが、アトピーだとさらにその機能が低下します。さまざまな刺激で炎症が起こり、掻くことによってさらに悪化する負の循環に陥ります。
また、皮膚のカサカサを放っておくと皮膚からアレルギー物質が侵入し、喘息や花粉症などといったアレルギー疾患を次々に併発してしまいます。皮膚のカサカサを治すことはとても重要です。
治療
①かゆみ炎症を治す内服薬、塗り薬
②バリア機能を改善させるスキンケア
③悪化要因の特定・除去
※採血できる年齢であれば、当院では採血によるアレルギー検査を実施しています。
にきび
にきびは皮脂などが毛穴に詰まり、毛穴の中でアクネ菌という細菌が増殖して炎症を起こすことでできます。
思春期に多く、成長期のホルモンバランスの急激な変化が原因で発症します。
放置したり無闇に潰したりしていると、ニキビ痕や色素沈着となって黒っぽく残ってしまうため、早めの受診をお勧めいたします。
治療
外用薬、内服薬(抗生剤、ビタミン剤、漢方薬など)
蕁麻疹(じんましん)
蚊に刺されたような痒みが強い発疹で、通常は出現して数時間〜24時間以内に消えていく皮膚疾患を蕁麻疹(じんましん)と言います。食べ物・細菌やウイルスの感染・アレルギーなどがきっかけで出ることが多いですが、慢性じんましんでは原因が特定できないことが少なくありません。検査としては、血液検査でアレルギー原因となる物質を調べたりします。
蕁麻疹の種類としては、以下の
・アレルギー性蕁麻疹 … 食品・薬品・植物などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応しておこる蕁麻疹
・物理性蕁麻疹 … 皮膚に対する機械的な摩擦や冷たい刺激、温かい・熱い刺激、日光照射などによって起こる蕁麻疹
・コリン性蕁麻疹 … 入浴や運動・精神的な緊張によって体温が上がり、発汗に伴って起こる蕁麻疹
治療
痒み・炎症を抑えるステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー内服薬 など
あせも
汗をかいた後に、皮膚に細かい水ぶくれやブツブツが現れる皮膚疾患のことです。汗をかきやすい夏に多く、多くのお子さまに見られるトラブルです。原因は、たくさん汗をかくことで汗を出す管である汗腺が詰まることで、汗が皮膚の外に出られなくなり、皮膚内の組織に漏れ出ます。すると、水ぶくれができたり、炎症を起こしてかゆくなったり、赤くてかゆいブツブツができたりします。
治療
痒み・炎症を抑えるステロイド外用薬
対策
汗が出たらシャワーで流したり、エアコンを上手に使うことも大切です。
扁桃炎
のどちんこの左右にある口蓋扁桃という部分が炎症を起こして赤くなって腫れたり、扁桃表面が白色の膿で覆われます。ウイルス感染によるものと細菌感染によるものがあります。
のどの痛み、発熱、全身のだるさ、食欲不振があります。特に小児の場合は経口摂取の不良により脱水症状を起こし、重症化することがあるので注意が必要です。
治療
発熱やのどの痛みに対して症状を抑える薬、細菌性と診断された場合には抗生物質、口腔内を清潔に保つためのうがい薬などを使用することがあります。
十分な水分の補給、安静が第一です。
副鼻腔炎
頬と両目の間、額の下の骨の中の空洞を副鼻腔といいます。風邪やアレルギーで鼻の粘膜が炎症を起こした後、その炎症が副鼻腔内の粘膜にまで広がると副鼻腔炎となります。
風邪によって急な炎症が起こるものを「急性副鼻腔炎」といいますが、適切な治療を受けることで1〜2週間の治療期間で改善していきます。しかし、治療せずに放置しておくと症状がひどく長引いてしまい、「慢性副鼻腔炎」となってしまいます。慢性副鼻腔炎になると治療が長引いてしまうので早めの対応が必要です。
子どもの副鼻腔は2歳頃から発達し始めて、17歳ごろにほぼ完成する期間です。4〜6歳頃は副鼻腔の通路が広がる時期で炎症を起こしやすくなるので注意が必要です。
治療
症状の度合いに応じて抗生物質を投与します。しかし副鼻腔炎はおよそ6割の方が自然治癒することがあるので、症状に応じて処方薬を検討します。
抗生剤の他にも、鼻水をサラサラにする薬や炎症を抑える内服薬を使うことも多いです。
中耳炎
鼻と耳をつなぐ「耳管」という管を通じて、鼻やのどの粘膜に感染した細菌・ウイルスが「中耳腔」に入って炎症を起こすのが中耳炎です。子どもの耳管は短くて太いため菌やウイルスが入りやすく、中耳炎になりやすいです。小学校入学前の6〜7割の子が1回は中耳炎にかかると言われており、生後6ヶ月から2歳ごろは特に中耳炎になりやすいです。早めに適切な治療をしないと、再発を何度も繰り返して手術が必要になるケースもあります。
よくある症状は耳の痛みで、人によっては発熱や耳だれ・難聴などの症状もみられます。
特に、風邪をひいて副鼻腔炎に続いて中耳炎を発症するケースは多々あります。
治療
急性中耳炎の場合は、抗生剤を10日ほど服用し続ける治療で治ります。
しかし、慢性化する中耳炎もあるので、中耳腔にたまる滲出液という液体を外に出しやすくする薬などを使用する場合もあります。症状に合わせた薬を処方します。
気管支喘息
喘息は、息をするときの空気の通り道である気管支が狭くなり、空気が通りにくくなる状態を繰り返す病気です。
典型的な喘息発作の症状は喘鳴(息がしづらくなってゼーゼー、ヒューヒューなる症状)などがあります。風邪で咳込む症状と喘息の症状がわかりにくい場合も多いです。
喘息悪化の原因は多く、アレルギー・感染症・運動・気象条件・大気汚染・ストレス等があります。
治療
大きく分けて「発作を予防する薬」と「発作が起きた時におさめる薬」の2種類があります。
気管支のアレルギー反応・炎症を抑える内服薬、気管支を拡張する内服薬・貼付薬、気管支に直接作用する吸入薬などがあります。